お母さんが笑顔になると、子どもも変わる
お母さんと子どもは、とても深いところでつながっています。
まるで同じ波長で生きているように、気持ちもエネルギーもシンクロする時があります。
だからこそ、お母さんの心が不安定なとき、子どももどこかで息苦しさを感じています。
でも逆に、お母さんの笑顔が少しずつでも増えて、自分のことをほめてあげられるようになってくると、不思議なことに、子どもにも穏やかな変化が訪れます。

「母」でもあり、「ひとりの私」でもある
お母さんには、お母さん自身の人生があります。
“母”として、“妻”としてだけではなく、「わたし」というひとりの人間としての時間や気持ちも大切にしてほしいのです。
お母さんが自分を抑え込んでしまえば、子どもも一緒に小さくなってしまいます。
エネルギーに満ちている状態でいてこそ、初めて子どもにもその力を分けてあげられます。
できないことがあっても、「本当はこう思っている」という心の声を忘れずにいてください。
それを忘れてしまうと、自分自身がしんどくなってしまいます。
一番救いたいのはお母さん
たくさんの子どもの相談を受けてきましたが、話を聞いていくと、親御さんのケアが必要だと感じることが多くあります。
特に、お母さんがしんどい思いをしていると、子どもはとても敏感に感じ取っています。
日本のお母さんたちは、とてもがんばっています。
けれど、自分のことをうまくほめてあげられない人が多いように感じます。
それは、子育てにやさしくない社会のなかで、板挟みにされながらがんばってきたから。
1人で抱え込んで、誰にも甘えられず、「助けて」と言えずに。
本当は苦しいのに「お母さんだから」と自分に言い聞かせて、毎日をこなしている …
でも、本当はお母さんにこそ、安心して甘えられる場所が必要なんです。
自分を出せる場所が欲しくても、探す時間すらないのが現実かもしれません。
だけど、そのままでは苦しさは子どもにも連鎖してしまいます。

お母さんが楽になっていくと、自然と子どもも変わっていく。これは、たくさんの症例を見てきた事実です。
「自分を大切にする」のが、子どもへの一番の愛情
子育てに一生懸命になって、自分のことを後回しにしてしまう方は多いと思います。
でも本当に大切なのは、まず「自分の心」をおろそかにしないことです。
子どもは、親が思っている以上にたくさんのことを感じ取っています。
だからこそ、お母さんが穏やかであること、安心して生きていることが、何よりも道しるべになります。
「頑張らなきゃ」がしみついている人ほど、今こそ「自分を労わる」ことを思い出してほしいのです。
自分を認めてあげると、昔の痛みや感情も少しずつ癒えていきます。
何かに追われるようにやるのと、自分のペースでやるのとでは、人生の質がまったく違います。
もう一つは、自分が何を望んでいるのかを認識すること。
できるかできないかは、また別の話です。
「こうだったらいいな」と思う気持ちは、ちゃんと持っていていいんです。
理想と現実の両方を抱えていても、大丈夫です。
それが人間らしさですし、そこに葛藤があるからこそ、人は成長していけます。
「変わらなきゃ」ではなく「変わりたい」
「自分を大事にするってどういうこと?」
そんな風に戸惑ってしまう方もいるかもしれません。
それも当然です。今まで、そうしてこなかったから。
でも、大事にできていなかったことに気づけたら、そこからやさしさが生まれます。
「変わらなきゃ」ではなく、「変わりたい」と思うことが出発点です。

安心して過ごせる毎日を、親子でいっしょに育てていけたら、それが“心地よい子育て”なんだと思います。
ありのままの自分で
完璧なお母さんにならなくていいんです。
「こうじゃなきゃいけない」「もっとちゃんとしなきゃ」と思いすぎて、心も体もガチガチになってしまう方が少なくありません。
でも本当は、等身大の自分を認めてあげることが、いちばんリラックスできる方法です。
傷ついた過去も、足りないと感じる部分も、無理に埋めようとしなくていいんです。
「これが私なんだな」と思えることが、心の余白になります。
体調を崩したとき、人は初めて“手放すこと”を学びます。
それは体からの「ちょっと休んでほしい」「本当の自分に戻ってほしい」というサインなんです。
評価ではなく、「ただ私に戻る」こと
自分への評価をいったんリセットして、プラスでもマイナスでもない“ニュートラル”に戻してみてください。
それが、「これが私」と素直に言えるスタートになります。
肩の力が抜けたとき、本当に必要なサポートや言葉が、ちゃんと心に届くようになります。
自分の軸に戻って、自分のリズムで生きていく。
それが、お母さん自身の幸せにつながり、きっと子どもにも、穏やかに伝わっていくはずです。
