身体の声に耳を傾ける

私たちは、心と身体を分けて考えることが多いですが、実際には、感情と身体はいつもつながっています。

たとえば、こんな経験はありませんか?

  • 緊張するとお腹が痛くなる
  • 悲しいときに喉が詰まる感じがする
  • イライラが続くと頭痛がする
  • 誰かと会うのが憂うつで身体が重くなる

これらはすべて、「感情」が身体を使って何かを伝えようとしているサインです。

感情が抑え込まれると、身体に出てくる

本当は泣きたいのに泣けなかったとき。
怒りたいのに怒ってはいけないと思って飲み込んだとき。
助けてほしいのに「大丈夫」と笑ってごまかしたとき。

感情が表現されることなく心の奥にしまい込まれると、
それは行き場を失って、身体の不調という形であらわれることがあります。

  • 胃の不調は「我慢」や「消化できない感情」
  • 喉のつかえは「言いたいけど言えなかった言葉」
  • 肩こりは「背負いすぎているもの」
  • 頭痛は「考えすぎ、許可できていない感情」
  • 不眠は「心が休まる場を失っているサイン」

これらはただの症状ではなく、身体が代わりに“叫んでくれている”のかもしれません。

「感じていい」と自分に許すだけで、身体がゆるむことがある

身体症状の原因を医学的に探しても何も出てこないとき、
「自分がどんな感情を我慢してきたか?」に目を向けてみることがあります。

本当は怒っていたんじゃないか
本当は悲しかったんじゃないか
本当は誰かにわかってほしかったんじゃないか

そうやって、心の中に置き去りにされた感情に気づくことができたとき、身体はふっと緩み始めます。

まるで、「やっと気づいてくれた」と言うように。

身体から感情にアクセスする方法

自分の感情がわからないときは、身体を手がかりにしてみるのもひとつです。

  1. 気になる身体の違和感に意識を向ける(例:胸が重い、胃がキリキリする)
  2. その感覚に「色」や「形」、「温度」などをイメージでつけてみる
  3. その違和感にこう問いかけてみる
     「何を伝えたい?」
     「本当はどう感じてるの?」
     「何を我慢してるの?」

感情が言葉にならなくても大丈夫。
ただ「そこにある」と認めるだけで、心も身体も少しずつ動き出します。

症状は「敵」ではなく「メッセージ」

痛みや不調は、私たちを困らせるためのものではなく、
「何かが合っていない」「無理している」というサインです。

それを無理に治そうとするのではなく、
「今の私に、どんな気持ちがある?」と丁寧に向き合っていくことで、
身体は少しずつ、元のリズムを取り戻していきます。

身体の声に耳を澄ませるということ

心の声が聞けないとき、
身体が先に「もう限界だよ」と語り出すことがあります。

その声にちゃんと耳を傾けること。
それは、自分を丁寧に生きることでもあります。

症状を「悪いもの」と切り離すのではなく、
そこに込められた感情と対話していくことが、
本当の意味での癒しにつながっていきます。