回復のために必要なこと

私たちの体や心に現れる不調は、昨日今日で突然出てくるものではありません。
それは長い時間をかけて、少しずつ蓄積されてきた結果なのです。

長い間、体は必死に調整をしながら、あなたを守ろうとしてくれていたのです。
その健気なバランスが崩れたとき、ようやく私たちは「もう限界だったんだ」と気づきます。


緊張が「当たり前」になっていませんか?

本来は力を抜いてもいい場面なのに、気づけば常に体に力が入っているー
そうした状態が続くと、交感神経が優位になり「戦闘モード」が日常化していきます。

リラックスの仕方がわからない。
気を抜くことに罪悪感がある。
いつからか、それが“普通”になっていませんか?

必要なところにエネルギーを注げず、不必要なところで消耗し続けると、体も心も本来のリズムを忘れてしまいます。
その結果、免疫や神経のバランスが崩れ、自分自身を攻撃してしまうような自己免疫疾患につながることもあります。


痛みは体からのサイン

痛みや不調は、ただのトラブルではありません。
それは、体がこれ以上無理をしないようにと出口を求めて生み出したサインです。

この出口がふさがってしまえば、もっと深刻な症状となって表れることもあります。
内臓やホルモン、自己免疫のトラブルなど――
それは、「発散できなかったエネルギー」が体の内側を攻撃している状態と言えます。

ですから、痛みは「ここに負荷がかかってるよ」という体からのサイン。
決して悪者ではなく、あなたを守ろうとする体の声なのです。

痛みだけを取り除こうとするのではなく、その背景に耳を傾けていきましょう。


「止まっている」ことの負荷に気づく

パソコン作業などで座りっぱなしの生活…身体をたくさん動かしたわけでもないのに、なぜか疲れが取れない。
そんな方が多くいらっしゃいます。

本来、私たちの体は動くようにできています。
つまり、止まり続けるということは体にとって不自然で強いストレスになります。

美術のデッサンや、門番をイメージしてみてください。
止まり続けることには相当なエネルギーが必要なのです。


「こうあるべき」が自分を苦しめる

真面目で責任感が強い方ほど、「もっとできるはず」「こんなんじゃダメだ」と自分を追い込みがちです。

理想と現実のギャップが大きいほど、その苦しさも深くなります。
でも、どんなに優れた人でも、疲れていれば本来の力は発揮できません。

脳がキャパオーバーになると、命令を出しすぎたり、反対に出せなくなったりします。
「眠れない」「考えが止まらない」「何も感じない」
それは、脳が限界を超えているサインかもしれません。


エラーを生む日常を見直すことから

このような「システムエラー」は、施術等で一時的に整えることができます。
ですが、それだけでは不十分です。

その不調を生み出している「日常の使い方」を変えていかなければ、また元の状態に戻ってしまうからです。

考え方の癖、行動のパターン、強い自責や自己否定。
そうした「心の使い方」まで含めて見直していくことが、本当の意味での再スタートにつながっていきます。


健やかに心地よく生きる

体を整えること、栄養をとること、運動すること、気晴らしをすること…。
これらはあくまで「ツール」です。

目指すのは「あなたがあなたらしく、心地よく生きていく」こと。

そのために、今の自分の状態にまず気づくことが必要です。
そして、「力を抜くこと」に自分自身がOKを出してあげることが、はじめの一歩です。

不調を治すのではなく、生き方を整える。
それが、当院が大切にしている視点です。


あなたの体は、あなたの味方です

今のあなたに必要なのは「もっと頑張ること」ではありません。
むしろ、これまで頑張ってきた自分に、少しずつ優しさを取り戻すこと。

あなたの体は、壊れたのではありません。
ただ、ずっと頑張り続けてきた結果、少しの休憩と助けが必要になっただけです。

どんな小さな気づきからでも構いません。
あなたがご自身の体と心に再び耳を傾けることができたとき、本当の回復が始まっていきます。