症状に囚われすぎないで

「病気をどうにかしたい」
そう願うことは、自然なことです。

でも実は、その症状の根源には自律神経の乱れ脳機能の低下があります。

起立性調節障害に限らず、
慢性的なだるさ、めまい、胃腸の不調、情緒の揺れ――
こうした“よくわからない”症状の多くに共通するのは、身体の中で働いてくれているオートマチックな調整機能が乱れているということです。

それが 自律神経 です。


治すのではなく、「本来の状態に戻す」

人の体は本来、自然とバランスを取る力を持っています。
自律神経はそのバランサーです。

でも、生活習慣や過去のストレス、抱え続けた価値観や行動パターンが無意識のうちにこのバランスを崩していきます。

体調を崩している人の多くは、「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」といった自分の中にある強い思い込みに縛られています。

まずは、それに気づくことが大切です。
「そうだったんだ」と知り、今までの自分を否定せずに「よくがんばってきたね」と認めてあげてください。

過去をなかったことにする必要はありません。
それも含めたうえで、「これからどう在りたいか」を選び直せばいいのです。


症状1つずつに向き合いすぎない

起立性調節障害や神経系の不調においては、出てくる症状は人それぞれ。理由も複雑です。

胃が痛い、朝起きられない、頭が重い、息が浅い……
ありとあらゆる症状が、次から次へと現れることもあります。

その一つひとつに対処し続けようとすると、まるで出口のない迷路に迷い込んだように感じることもあるでしょう。

でも、大元にあるのは 自律神経の乱れ
その命令がちぐはぐになっていること。
そしてその背景には、その人の生き方や関係性、環境があります。


回復への道は人それぞれ

「こうすれば治る」という万能の答えはありません。
その子、その人、その家庭によって、すべて違います。

大切なのは、その人が歩んできた道のりを知ること。
なぜその考え方になったのか。
どんな価値観を大事にしてきたのか。
どんな風に周りと関わってきたのか。

「その子(人)にとっての正解」を一緒に探していく。
そのために、私たちはじっくり話を聴き、背景に耳を澄ませます。


症状を軸にしないこと

症状に囚われると、どうしても行動も考え方も制限されていきます。
「今日は○○が出たからやめよう」
「この症状がなくならない限り、○○はできない」
――そんな風に、毎日の選択が“症状ありき”になってしまうのです。

でも、本来のあなたは、
症状をどうにかするために生きているわけではないはずです。

その先に、「こう生きていきたい」という希望や願いがあるはず。
そちらを見つめ直すことが、回復のプロセスになります。


回復には時間がかかる

「絶対治る」とは言いません。
この世に“絶対”はありません。

でも、一歩ずつ確かに前に進むことはできます。
いろんな人の力を借りながら、工夫しながら、日々の積み重ねを続けていくことが、本来の状態に戻っていく一番の近道です。

今までの努力も、決して無駄ではありません。
必ず、どこかであなたを支えてくれる糧になります。

あなた自身の力だけでは難しいこともあります。
だからこそ、私たちは一緒に考え、寄り添います。


最後に

今、何かしらの不調を抱えている方へ。
症状にとらわれすぎないでください。

それはあなたの“本質”ではありません。
あなたの体も心も、本来のバランスを取り戻そうとしています。
その力を信じて、焦らず、否定せず。
一歩ずつ、本来の自分へと戻っていきましょう。

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