小さな「できた」を積み重ねよう

もし今あなたが、適応障害で休職中で、「何もできない自分」に苦しんでいたら――

朝起きるのがつらい
人と会うのが怖い
外に出ることすら億劫になる

そんな日々が続くと、自分を責めたくもなりますよね。

「前はできていたのに、今はできない」
「こんな自分では、社会に戻れないかもしれない」

でも、そんな風に思う必要はありません。
むしろ、「今できない」ことは悪いことではなく、「回復のサイン」かもしれません。

心と脳のブレーキがあなたを守っている

適応障害は、過度なストレスで脳と心が疲れてしまった状態です。
ブレーキがかかっているように感じるのは、あなた自身を守るための自然な反応

でも、「止まる」ばかりでは、少しずつ不安や自信のなさに飲み込まれていってしまいますよね。

そこで大切なのが小さなチャレンジを重ねていくことです。

「小さなチャレンジ」は、心のリハビリ

いきなり大きな一歩を踏み出す必要はありません。

  • 朝、決まった時間に起きてみる
  • 近所のコンビニまで散歩してみる
  • 好きなカフェで1時間だけ過ごしてみる
  • 本を1ページ読んでみる
  • メールを1通返信してみる

…そんな、小さくて、ささやかな「できた」を積み重ねることで、
少しずつ脳が安全だと認識し、前に進む力を取り戻していきます。

「できた」を繰り返すことは、心のリハビリなのです。

なぜ「小さなチャレンジ」が効果的なのか?

それは、脳には成功体験を学習する力があるからです。

  • 一歩踏み出してみて、「大丈夫だった」
  • やってみて、「心地よかった」
  • 終わったあとに、「安心できた」

そういったポジティブな体験を、脳は少しずつ記憶し、
「また次も大丈夫かもしれない」と、自己効力感(できる感覚)を育てていきます。

つまり、小さなチャレンジは、元気な自分を思い出すためのトレーニングでもあるのです。

自分で「決める」がポイント

ここでひとつ大切なのは
「何にチャレンジするか」を自分で決めるということ。

たとえそれが「今日は外に出ないと決める」ことであっても、
自分の意思で選んだという感覚が、あなたの自信を回復させます。

人から言われたからではなく、
自分のために、自分が選んだ行動であることが、大きな力になるのです。

誰かと比べなくていい

あなたの一歩は、他の誰かと比べる必要はありません。

人と話せた
今日ちゃんと食べられた
空を見て綺麗だと思えた

それだけで、十分すぎるくらいの価値があります。

休職中の今は、“止まっているように見えるけれど、内側では再構築が始まっている”時間。
その静かな再生の途中で、あなたの中にある小さなチャレンジを、大切にしてみてください。