メンタル回復と血糖値の深い関係―「気持ちの問題」だと思い込んでいた不調の正体 ―

「理由もなく不安になる」
「急に気力が落ちる」
「イライラが止まらない」
「何もしていないのに、ぐったり疲れる」

そんな状態が続くと、
「自分の心が弱いからかな」
「もっと気持ちを切り替えなきゃ」
そうやって、自分を責めてしまうかもしれません。

でも実は、その不調、
血糖値の乱れが、メンタル回復を止めていることがとても多いのです。

血糖値は「気分」と直結している

血糖値は、ただの数値ではありません。
脳にとっては、エネルギーそのものです。

血糖値が急に下がると、脳はエネルギー切れを起こし、

・急な不安
・焦り
・イライラ
・動悸
・思考の混乱
・逃げたくなる感じ

こうした反応を一気に出してきます。

これを、本人はこう感じます。

「また不安が出た」
「気持ちが不安定だ」

でも実際には、

脳が“飢餓状態”になって、強制的に不安を作っているだけのことも少なくありません。

「ちゃんと食べているのに不調」が起きる理由

血糖値が乱れる人の多くは、

・朝ごはんを抜く
・甘いものに頼る
・食事の間隔が空きすぎる
・炭水化物だけで済ませる
・コーヒーで空腹をごまかす

こうした生活が続いています。

一時的に血糖値が上がっても、
そのあと急降下することで、
ジェットコースターのように感情が揺さぶられる状態になります。

すると、

・朝は比較的調子がいい
・昼前から不安が出る
・夕方に一気に落ち込む
・夜になると逆に冴えて眠れない

こんなリズムが固定されてしまいます。

血糖値が乱れると「自律神経」も乱れる

血糖値が下がると、
体は命を守るために、アドレナリンやコルチゾールを分泌します。

これは、

・心拍数を上げる
・緊張させる
・不安を強める

という方向に働きます。

つまり――
血糖値の乱れ = 自律神経の乱れ でもあるのです。

どれだけ休もうとしても、
体の内側が「非常事態」を出し続けていては、
神経はいつまでも休めません。

メンタルが回復しない人ほど、血糖値が不安定

当院に来られる方の多くが、

・不安症
・パニック
・適応障害
・不眠
・慢性的な抑うつ感

こうした状態を抱えていると同時に、
血糖値が極端に乱れやすい生活を続けています。

そして多くの人が、

「メンタルと食事が、ここまで深く関係しているとは思わなかった」

そう話します。

脳を回復させるために必要なのは「安定」

脳が回復するために何より必要なのは、
安全と安定です。

・血糖値が安定する
・ホルモンが安定する
・神経が安定する

この土台ができて、はじめて
思考も、感情も、回復に向かい始めます。

当院が血糖値を重要視している理由

当院では、

・脳と神経の誤作動を整える
・思考や感情のクセをほどく

だけでなく、
血糖値の安定を「回復の土台」として重要視しています。

なぜなら、

どれだけ心理的なケアをしても、
どれだけ脳の調整をしても、
血糖値が乱れている限り、神経は何度も不安定に引き戻されてしまうからです。

「気持ち」だけで変えようとしなくていい

不安や落ち込みが強いと、

「もっと前向きにならなきゃ」
「考え方を変えなきゃ」

そう思ってしまいやすいです。

でも、血糖値が乱れた状態では、
前向きになるエネルギーそのものが足りていないのです。

だから、まずは脳が安心して働ける状態を、体の内側から取り戻していく。
それが、メンタル回復の最短ルートになります。

最後に

メンタルが不安定なとき、
その原因は「性格」でも「弱さ」でもありません。

血糖値という、とても現実的な身体の状態が、
あなたの不安や疲れを作り出していたーー

そういうケースは、決して珍しくありません。

気持ちを変えなくてもいい。
まず、体が安心できる状態に戻っていけばいい。

そこから、回復は静かに始まっていきます。