自責が強い人にオススメ《セルフコンパッション》

セルフコンパッションとは、「self=自分自身」と「compassion=思いやり、慈悲」を合わせた言葉で、“愛する人に対する思いやりや労りと同じ気持ちを自分自身にも向け、状況に関わらず自分を素直に受け入れること”ができる心理状態のことです。

セルフコンパッションは、フィジカルとメンタルの両面に影響を与えることが学術的にも証明されており、ストレスや不安に捉われず困難を乗り切る力として、ビジネスシーンでも重視されています。

構成する3つの要素

① 自分への優しさ
困難や苦しみが訪れた時に自分を責めると、ますます苦しみが増してしまいます。 そんなときにも、友達に接するのと同じように自分にも優しく接することが大切です。

②共通の人間性
つらい経験の最中、こんな目に遭っているのは自分だけではないかと孤独感を感じてしまいます。しかし、人は皆、同じように苦しみを経験するものだと思い出しましょう。

③ マインドフルネス
マインドフルネスは評価や判断を加えずに、今この瞬間の経験に注意を向けること。自分の苦しみを大きく、あるいは小さくとらえすぎず「ありのままそこにある事実」として受け入れましょう。

3つの効用

セルフコンパッションを活用することで得られる効果としては以下の3つが挙げられます。

①幸福感を高める
 セルフ・コンパッションが高い人は、人生に対する満足感が高く、感謝の気持ちを多く持ち、楽観的な考え方ができる

②ストレスを減少させる
 セルフ・コンパッションが高い人は、不安感やストレスが少ない傾向がある

③レジリエンスが高まる
 セルフ・コンパッションが高い人は、困難な状況を乗り越えていく心の力であるレジリエンス(精神的回復力)が高い。

セルフコンパッションの方法

1.セルフタッチで心を鎮める

・手を胸に当てたり、腕や肩を優しく撫でる
・セルフハグをする
・自分の胸を一定のリズムで優しく叩く
など、自分が落ち着く方法を見つけておき、ストレスがかかった時に実践してみましょう。

大切な家族や親友にやってあげるようなつもりで、優しく丁寧に、がポイントです。

2.瞑想する

瞑想の形に拘らず、心がホッとするヒーリング音楽を掛け、ただ呼吸に意識を向けるだけでOKです。

ゆっくりと呼吸をして、思考や感情をただ眺めるようにしてみます。

3.セルフコンパッションフレーズを唱える

セルフコンパッション3つの要素に合わせたフレーズを自分の中で決めておきます。

「私は自分に優しくすることができる」(自分への優しさ)
「生きていれば、辛いこともある」「私は一人じゃない」(共通の人間性)
「今、私の中に怒りの感情がある」(マインドフルネス)

落ち込んだ時にこのフレーズを自分に言ってあげることで落ち着きを取り戻すことができるようになります。

十分がんばっています

当院にいらっしゃる方は、本当に頑張り屋さんが多いです。

でもその自覚はなく、たくさんの荷物を抱えて、心や体に不調が出て…それでも「もっとやらなきゃ」「なんでできないんだろう」と自分を責めて、というループにはまりこんでいます。

初診でよく「できてないことも確かにあるかも知れないけど、頑張ったか頑張ってないかと聞かれたらどっち?」と聞くと「頑張った」「頑張ってる」とようやく認められる、という方も少なくありません。

まずは「私は頑張ってる」ことを認め、毎日頑張ってくれている心と体に「ありがとう」と伝えてみてください。
それだけでホッと力が抜けますよ^^