「こうあるべき」は誰のもの?――親の価値観が苦しさに変わるとき

「これくらいはやらないといけない」
「ここで投げるわけにはいかない」
「ちゃんとしていないといけない」

そうやって自分に言い聞かせながら、
無理を重ねてしまうことはありませんか。

頭では「しんどい」と分かっているのに、
止まることに強い抵抗がある。

少し緩めると、どこか落ち着かない。
むしろ不安が強くなる。

その感覚は、性格の問題というより、
これまで当たり前としてきた基準の影響を受けていることがあります。

「正しさ」を優先してきた感覚

これまで、

・頑張ることが当たり前
・迷惑をかけてはいけない
・期待には応えるべき

そういった価値観の中で過ごしてきた場合、
「どうしたいか」よりも
「どうあるべきか」を優先する感覚が自然と身についていきます。

それ自体は、生きていく上で必要だった側面もあります。

ただ、その基準のまま今の状態を見てしまうと、
どこまでいっても「まだ足りない」という判断になりやすくなります

「自分の基準」のようで、そうではないもの

ここで一度立ち止まって見てほしいのは、
その基準が本当に自分のものかどうかです。

「こうしないといけない」と感じるとき、
そこには誰かの期待や評価が含まれていることがあります。

親や周囲の大人、これまでの環境の中で
繰り返し受け取ってきたメッセージが、
そのまま自分の基準になっている。

それに気づかないまま使い続けていると、
今の状態と合わなくなっていても、
同じやり方で自分を動かし続けてしまいます。

ズレが負担になるとき

体がついてこない。
無理がきかない。
気持ちが続かない。

そうした変化が出てきているとき、
多くの場合は「能力が落ちた」のではなく、

今の状態と基準が合っていない状態になっています。

それでも同じ基準で自分を動かし続けると、
無理が積み重なり、
神経の緊張が抜けなくなっていきます。

「こうあるべき」から少し距離を取る

ここで必要になるのは、
基準を否定することではありません。

まずは、一度その前提から距離を取ってみることです。

・本当に今の自分に必要な基準なのか
・この状態で続けていけるものなのか
・別の選び方はないのか

こうした視点を持つことで、
今の状態に合った形に調整する余地が生まれます。

「どうしたいか」が見えにくくなる理由

これまで「どうあるべきか」を優先してきた時間が長いほど、
「どうしたいか」という感覚は分かりにくくなります。

急に答えを出そうとしても、
すぐに言葉にならないことがほとんどです。

それでも、そこに目を向けていくこと自体が、
今の状態を変えていくきっかけになります。

ARTSsで大切にしていること

ARTSsでは、

無理を前提にしたまま整えるのではなく、
今の状態に合った形に整えていくことを大切にしています。

そのために、

・今の状態を整理する
・無意識に使っている基準に気づく
・身体の反応とズレている部分を調整する

といったことを、
心と身体の両面から進めていきます。

最後に

これまでのやり方でやってきたからこそ、
今の自分があります。

その積み重ね自体を否定する必要はありません。

ただ、今の状態に違和感があるなら、
その基準をそのまま使い続ける必要もありません。

「こうあるべき」ではなく、
「どうしたいか」に少しずつ目を向けていくこと。

そこから、無理のない形に整えていくことができます。