なぜ「考え方を変えても楽にならない」のか――思考では動かない領域で起きていること

「考え方を変えれば楽になる」
そう思って、いろいろ試してきた方も多いと思います。

前向きに考えるようにする。
気にしすぎないようにする。
完璧を求めすぎないようにする。

頭では理解しているし、
実際に意識している。

それでも、

気づけば同じことで不安になる。
同じ場面で体が固まる。
分かっているのに反応が止まらない。

そういう状態が続いていると、
「自分の変え方が足りないのではないか」と感じてしまうことがあります。

思考で変えられる範囲には限界がある

ここで起きているのは、
考え方が間違っているというより、

思考で変えられる範囲を超えている状態です。

不安や緊張が強く出るとき、
体の中では先に反応が起きています。

動悸がする。
呼吸が浅くなる。
体がこわばる。

そのあとで、
「大丈夫」「気にしなくていい」と考えようとしても、
すでに体の反応が優位になっている状態では、
うまく切り替えることができません。

「分かっているのにできない」の正体

「分かっているのにできない」

この状態は、
意志が弱いわけでも、努力が足りないわけでもありません。

脳と神経が緊張したまま、
安全な状態に戻れていないだけです。

この状態では、

・考えを変えようとする
・気持ちをコントロールしようとする

といった働きよりも、

・危険を回避する
・不安を強く感じる

といった反応が優先されます。

そのため、どれだけ思考を整えようとしても、
体の反応に引っ張られてしまいます。

「考え方」より先に整えるものがある

こうした状態のときに必要なのは、
考え方を変えることではなく、

体と神経の状態を落ち着かせることです。

緊張が抜けていない状態のままでは、
どれだけ良い考え方を取り入れても、
定着しません。

逆に、

体の反応が落ち着いてくると、
無理に考え方を変えようとしなくても、
自然と受け取り方が変わっていきます。

「変わらない」のではなく「変え方が合っていない」

これまで、

本を読んだり、考え方を学んだり、
自分なりに努力してきた方ほど、

「変わらない自分」に対して
厳しくなりやすい傾向があります。

ただ実際には、

変われないのではなく、
今の状態に対して方法が合っていないだけです。

ここを繰り返していると、
「やっても変わらない」という感覚だけが強くなってしまいます。

ARTSsで見ているポイント

ARTSsでは、

思考や感情の整理と同時に、
その土台になっている状態を見ています。

・緊張が抜けない状態になっていないか
・安心して力を抜ける状態があるか
・体の反応と意識がズレていないか

こうした点を整えながら進めていくことで、
思考も無理なく変化していきます。

最後に

考え方を変えようとしても変わらないとき、
それは「変われない状態」なのではなく、
順番が違っているだけかもしれません。

無理に上から変えようとするのではなく、
土台から整えていく。

その視点が入るだけでも、
これまでとは違う変化が起きてきます。